代表者ご挨拶

武田 文彦
代表者プロフィール
武田 文彦(たけだ ふみひこ)
1944年北海道岩見沢市生まれ。1967年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1974年中央官庁への情報サービス会社設立、同代表取締役。1977年「究極的民主主義研究所」を設立し所長を務めながら1978年以降は「リンカーンクラブ」を併設して政治学者、政界の重鎮らを招き民主政治の研究を重ねている。2006~2014年慶応義塾大学大学院法学研究科講師。「月刊ベルダ」に現行政治への歯に衣着せぬ批判論文を2005年から連載している。
◎──著書に『子どもたちを戦場に送らない勇気 ー安倍政権の独裁政治を止めて、希望の国に! ー』(WAVE出版)、『赤ペンを持って憲法を読もう』(かんき出版)、『無党派市民のための究極的民主主義宣言』(ビジネス社)、『民主主義進化論(上・下)』(竹内書店新社)、『代議士不要の政治』(大陸書房)などがあり、雑誌にはA.トフラーとの対談のほか「みなし戦争経済論」「直接民主主義」「重脳主義」などをテーマに多数掲載。

発表論文:
1「ストライキの欠陥は克服できる」-エコノミスト 76・3・16
2「傾斜生産方式で強固な輸出産業を育成せよ」 -マネジメント 77・2
3「総合病院の輸出」 -月刊プレーボーイ 77・5
4「ドキュメントイーターってご存知ですか」 -工場管理 78・
5「コンピュータが政治をつくる」 -正論 79・5
6「未来社会の衝撃」 -週刊ポスト 79.9
7「21世紀は直接民主主義の時代  A・トフラーと語る機会を得て」-正論 81・2
8「みなし戦争経済論」 -正論 94・4
9「政治の見方1~133」 ー月刊ベルダ 2005(連載中)・


ご挨拶

リンカーンクラブ再出発にあたって

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日本は戦後70年、日本国憲法のもとで議会制民主主義という制度を採用し、
主として自由民主党による政治が展開されてきました。

自由民主党は党是として日本国憲法の改正を謳い、その草案を公開しています。

これは日本国憲法の平和主義、民主主義、基本的人権、個人主義を
危ない方向へ大きく変更するものです。


ただ、日本国憲法の精神を明確な形で踏みにじる行動に出るわけにもいかないので、
独裁政治の中で静かに進めるようにしたのですが、
複雑な手続・実行をとるうちにあちこちで本性を現すことになりました。

たとえば憲法第9条に関して、日本共産党の自衛隊は違憲という発言に対して
自由民主党は共産党のあら探しで攻撃するという異常な光景がテレビで放映されました。

自衛隊を合憲と言い切ることの恥ずかしさが
与党の人たちからは感じられないのです。

自由民主党の野心や本性が政治の緩みをついて出てくる段階では、
まだ政治の根幹を問うようなことにはなりませんでした。

ところが第2期安倍政権になると、政治のための健全な土台が崩れ、
常軌を逸する政治が展開され、それが止められなくなったのです。


安倍首相は、日本が平和であったこと、戦後復興し繁栄してきた成果の
何が気に食わないのか、

「戦後の日本は歪んでいる。戦前の日本は何者かによって奪われた。
 今の日本は本来の日本ではない。本当の日本を取り戻そう」

と言っているのです。
また、「戦後レジーム(体制)からの脱却」「美しい日本を」とも公言しています。


安倍首相が言いたいことは、要するに現在の日本の全否定です。
そう言われて思いおこす日本の姿と言えば、敗戦前の日本でしかありません。

天皇大権の、治安維持法の、軍人が威張り大陸侵攻を推し進め
300万人以上の日本人を死に至らしめた軍国日本のどこがいいものですか。

その戦後レジームを脱却した後の姿は具体的に示していませんが、
安倍首相の言動と自由民主党日本国憲法改正草案から概要を読み取ることができます。

「天皇を国家元首に戻す。現憲法が規定している基本的人権は日本には相応しくない」といい、
基本的人権の条文の「公共の福祉に反しない限り」という表現を
「公益及び公の秩序に反しない限り」と変えて規制を強化するなど、
民主主義に反することを堂々と公表しています。


さらに、特定秘密保護法を制定し、政府には逆らいませんと暴言した人物を
NHKの役員に送り込んで報道の世界を統制しようとしています。

日本という国は,内閣総理大臣が所属政党の長きにわたる違憲判断をひと声で、
しかも司法判断を無視して合憲にできてしまう国なのです。
このような政策の転換は断固粉砕しなければなりません。


日本は民主主義国家のはずです。
憲法・法律に沿って政治家や官僚は政治をする。

その政治家や官僚が法の拡大解釈どころではなく、
法の最高位である憲法の主旨を真逆に解釈してしまえば、
法の存在する意味すらなくなってしまいます。


今の憲法でも誠実に守ればまともな政治ができるはずです。
ただ、現憲法は人間の良心を信用しすぎて油断しすぎているところがあります。

ですから悪意をもって憲法の隙をつけるので、
政治家の悪意には防御面で弱いところがあります。

まして憲法を無視できる輩にかかれば、
集団的自衛権ですら行使できるようになってしまうのです。


憂うべき状況は、安倍首相の狂乱の違憲政治だけではありません。

国会議員たちもまた安倍首相の働きかけで、内閣提出の安全保障法案を詳しく審議もせず、
国民の前で十分に検討することもなく成立させてしまいました。

与党の国会議員には自分の政治信条がないのでしょうか。

総理大臣がいくら合憲と言っても国会が議決しなければ法案は成立せず、
自衛隊員を海外に派遣できません。国会は死んでいます。


ところで今日的状況の責任は安倍首相にありますが、
日本が戦後採用してきた議会制民主主義という政治制度が本質的に有する
欠陥や限界についても考えていかなければなりません。

この制度的欠陥が彼らの憲法違反を誘発したとも言えます。

ということは、日本の議会制民主主義を裏づける憲法そのものに問題があるのかもしれません。

現憲法の理念をより確実のものにするためにも、改めて、日本国憲法と民主主義について、
私たちはしっかりと考えていくことが大切です。


近代日本が歩みだし、明治維新、敗戦、そして日本国憲法のもとに70年を経た今こそ、
日本の政治を総点検し、新しい政治の土台と舞台を用意しなければならない時期なのかもしれません。

だとすれば、私たちの頭脳を結集し、通過しつつある時代を正確に読みとり、
新しい時代を築き上げる政治をリデザインしなければならない。


そんな思いを持って、リンカーンクラブの再出発を決断いたしました。

こうした思いに賛同していただけるみなさんと一緒に、
現実の政治をできるだけ、民主主義の理念に近づけていく活動に取り組んでいきたいと思っています。


  2016年6月30日      

リンカーンクラブ代表 

武田文彦

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